21時15分、玄関が開く──増量が止まる時間帯
21時15分。玄関のドアが開く。
「ただいま」
泥だらけのユニフォーム。疲れた顔。冷蔵庫を開けて、スポーツドリンクを飲む。
「ごはん、あと15分でできるからね」
「……うん」
夕食は唐揚げ、味噌汁、大盛りごはん。栄養バランスも考えている。それなのに体重は動かない、という声を私たちは何度も聞いてきました。
ある日、保護者の方が気づいたのは、21時過ぎの帰宅→22時前の夕食→就寝、で1日が終わっている という点です。練習で1,000kcal以上使ったあと、夕食1回で埋めようとしていた。
増量でつまずく家庭に共通するのは、食事の質ではなく 時間帯 です。
21時以降、お母さんに追加の料理は無理
正直に言うと、21時過ぎに「もう1品作って」と言われても、キッチンに立つ気力はない、というのが現場のリアルです。
朝の弁当作り。日中の仕事。夕方からの夕食準備。洗濯、ユニフォームの手入れ。21時になったら、保護者自身も限界に近い。
それなのにコーチからは「もっと食べさせろ」と言われる。努力が足りないのではなく、体力の限界とカロリー需要のギャップが重なっている だけです。
「3食ちゃんと作ってるのに」が起きる理由
保護者が頑張っているのに体重が伸びないのは、料理の腕前の問題ではありません。部活生の消費カロリーが、一般家庭の3食設計を超えているからです。
ふとるめし開発チームが部活生100人にアンケートを取ったところ、昼は弁当、夜はごはん中心の3食でも、1日あたり800〜1,000kcal足りない ケースが多くありました。
数字で見る「1食足りない」問題
感覚ではなく、数字で整理すると対策が見えてきます。
部活生に必要な1日のカロリー
活動量「高」の15歳男子に必要なエネルギーは 3,150kcal(※出典: 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」)。野球・ラグビーなど練習量が多い部活では、さらに上振れすることもあります。
3食だけでは2,500kcal前後
現実的な3食の合計は、だいたい2,000〜2,500kcal。朝食を抜く家庭では、2,000kcal台に収まることもあります。
時間帯よくある内容カロリー目安朝食パン・牛乳・卵400〜500kcal昼食弁当600〜700kcal夕食ごはん・主菜・汁物800〜1,000kcal合計2,000〜2,300kcal
必要量3,150kcalに対して、800〜1,000kcalの穴 が毎日開きます。
その穴を21時以降に埋めようとすると
穴を夕食だけで埋めようとすると、ごはん2杯分、主菜2品分の追加が必要です。21時過ぎに帰宅した子どもが、それを食べ切るのは胃の容量の問題もあります。
必要なのは「もっと食べろ」という圧力ではなく、追加1食分(850〜1,000kcal)を、作らずに足す仕組み です。
21時のキッチンで選べるもの、だいたいこれ
疲れた部活生が自分で食べられるものは、だいたい次のどれかに収まります。
選択肢カロリータンパク質課題カップ麺400〜500kcal10g台カロリー・タンパク質ともに不足菓子パン2個500kcal前後10g前後栄養バランスが偏るプロテイン1杯110kcal前後20〜25gタンパク質は取れるがカロリーが足りないコンビニ弁当600〜800kcal20g前後1個では1食分に届かない
ふとるめし開発チームが高校バスケ部を見学したとき、練習後に選手が食べていたのもカップ麺とコーラでした。コーチから「もっと食え」と言われているのに、21時過ぎに手に取れるのがそれだけ、という状況は珍しくありません。
21時過ぎに必要なのは、ごはん+主菜2品分に相当する追加1食。1,000kcal近いエネルギーです。
プロテインだけでは埋まらない
タンパク質の推奨量は、部活で体を大きくしたい場合、体重1kgあたり1.5〜2.0gが目安とされます(※出典: 日本スポーツ協会「スポーツ栄養インターナショナル」等の一般的なガイドライン)。体重60kgなら90〜120gが目安です。
プロテイン1杯でタンパク質は20g前後。足りないのはタンパク質だけではなく、 炭水化物と脂質を含む総カロリー です。
「作らなくていい1食」で足す増量術
増量術の核心は、毎日豪華な夜食を作ることではありません。850〜950kcalの「追加1食」を、保護者が作らずに足す ことです。
冷凍庫の+1品という考え方
夕食のあと、「もう1品、レンジで温めるから食べて」と言うだけ。調理時間は3分。
ふとるめしは1食850〜950kcal、タンパク質65〜75g。主菜2種類入りの2容器構成です。カップ麺の約2倍のカロリーで、タンパク質は6倍以上。
メニューカロリータンパク質ロコモコ風950kcal65.7g中華(麻婆豆腐+酢鶏)818kcal72.5g和定食(生姜焼き+竜田揚げ)976kcal73.5g
いつもの夕食に 足す 設計です。夕食を置き換える必要はありません。
保護者にとっての変化
先輩保護者の方から届いた声では、「21時以降にキッチンに立たなくなった」「『もっと作らなきゃ』のプレッシャーが減った」という変化が多く報告されています。体重の変化には個人差がありますが、食事のストレスが下がる だけでも、家庭全体の負担はかなり軽くなります。
今日から使える「21時ルール」
毎日同じやり方にこだわる必要はありません。帰宅時間に合わせて、次の3パターンで十分です。
19時前に帰れる日
夕食は通常通り。就寝1時間前にふとるめし1食を追加する。
21時過ぎに帰宅する日
軽めの夕食(ごはん・汁物・主菜1品)にとどめる。帰宅30分以内にふとるめし1食を追加する。
試合・遠征の日
試合後すぐにバナナやおにぎり、またはふとるめしで補給する。帰宅後の夕食は最小限にする。
見るべきは「3食」ではなく「1日の総カロリー」
「朝昼夕の3食を増やす」にこだわらなくてよい。1日の総カロリーが必要量に届いているか だけを見る。21時過ぎの帰宅日は、夕食++1品の2段構成のほうが現実的です。
まとめ
今日覚えておく3点
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増量が止まるのは、料理の質ではなく 21時過ぎの帰宅 と 1,000kcal近い不足 の組み合わせ
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カップ麺・プロテインだけでは、追加1食分のエネルギーが足りない
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再現すべきは豪華な夜食ではなく、 作らずに足す850〜950kcalの仕組み
21時のキッチンに、もう1時間立つ必要はありません。部活がある日だけ、冷凍庫から+1品を足す。それだけで、1日のカロリー設計は大きく変わります。



